あるある症候群

人知れず埋没してしまっている『あるある』たちを見つけ出してやらずにはいられない欲求が抑えきれない病気。

トーネットチェア【世界一売れた椅子】は安くて軽くて意外と強い

こんにちわ、RR博士だよ。今回は、世界一普及した椅子のお話だよ。

世界一普及した椅子を知っていますか?
これです。

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出典:Tohnet GmbH (http://www.thonet.de/startseite.html)

ミヒャエル・トーネットという人がデザインしたので、
トーネットチェアと呼ばれています。
曲木の技法で作っているのでベントウッドチェアと呼ばれるタイプの椅子です。
なかでも写真は『No.14』というモデルです。
トーネットのベントウッドチェアには他にも「ウィーンの椅子(ヴィエナ チェア)」と呼ばれたりル・コルビジェが愛用したことから「ル・コルビジェ チェア」と呼ばれる『No.6009』や、背もたれのデザインが異なる『No.18』などがありますが、この『No.14』が基本型です。
なんでも世界中で5,000万脚以上売れたそうです。
カフェなんかで使われていることが多いですね。

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シドニーのQ.V.B.にて(『No.18』が使われていました)

ところがどっこい、世界の有名な椅子を紹介するサイトなどでもなぜか名前が上がっていません。
スタンダードになりすぎて取り上げられることもなくなってしまったのでしょうか。
あるあるやね。便所サンダル的な。

ダイニングチェアを決めようとネットの椅子のランキングなどいろいろ調べてみても、一度も出てきませんでした。
ということは、ダイニングチェアとして向いていないのでは?と思われるかもしれませんが、実際使ってみても問題なくとても快適です。

特徴

この椅子の特徴としては、

  • 軽い
  • 意外と強い
  • 安い

が挙げられます。

軽い

軽いというのは、毎日使うダイニングチェアではとても重要な要素です。
食事するときはもちろん、掃除するなどダイニングチェアを移動させる機会って意外と多いですよね。
『No.14』は2.4kgから2.7kgと女性でも楽々持ち上げられるほど軽いです。

意外と強い

いくら軽くてもすぐに壊れてしまっては意味がありません。
多くのカフェで業務用としても使用されてきた実績があります。
80㎏の博士も2年間ほどほぼ毎日使っていますが壊れる気配がありません。
酔っぱらってもたれかかって寝てしまっても全然へーきです。

安い

博士のような庶民にとっては一番重要かもしれません。
他の有名チェアと比較してみましょう。

Yチェア
まずはハンス・J・ウェグナーのYチェア。
正規品で82,080円~
www.shop.carlhansen.jp

リプロダクトは、立体商標登録が認められたので存在できません。
似ているものは売っていますが、パチモノ感がハンパないです。22,000円。

アントチェア
続いてアルネ・ヤコブセンのアントチェア。
正規品で56,160円~
fritzhansen.com

リプロダクトで10,000円程度~

セブンチェア
これもアルネ・ヤコブセン。アントチェアをすっきりさせたやつ。
正規品56,160円~
fritzhansen.com

リプロダクト6,000円程度~

シェルサイドチェア
チャールズ&レイ・イームズのシェルサイドチェア。
正規品は41,040円~
storesystem.hermanmiller.co.jp

リプロダクトは3,000程度~

ザ・チェア
最後は再び登場ハンス・J・ウェグナーのザ・チェア。
正規品はなんと557,000円~
https://scandii.com/product/pp503-the-chair/scandii.com

リプロダクトは20,000円程度~

といった感じです。
正規品はどれもかなりのお値段ですね。4脚とかそろえようものなら大変なことになってしまいますね。
リプロダクトはピンキリですが、現実的な選択肢なのではないでしょうか。

さて、トーネットチェアに戻りまして、これも厳密な意味での「正規品とされる」は、ドイツのトーネット社(Thonet GmbH)製で、117,000円です。
flacedesign.com
「正規品とされる」と言ったのは、もともとトーネット社は、ヨーロッパ中に工場を持っていて、第一次大戦でつぶれてしまったが、それぞれが別の会社として生産を続けており、そのなかでも商標権を持っているのがドイツのトーネット社(Thonet GmbH)というわけです。
面白いのは、工場によって同じ『No.14』でもそれぞれでデザインが微妙に異なっているところ。
↓こちらがとても詳しいです。
shop.denim-furniture.jp

冒頭のシドニークイーン・ヴィクトリア・ビルディングの写真でも、同じ『No.18』が並んでいるように見えて、よく見ると微妙にデザインの違うものが並んでいますね。

はまると深い世界っぽいので、このへんで立ち止まったほうがよさそうですね。

で、その中でもチェコ工場を受け継いだTON社のデザインがアンティークっぽいのにどこか現代的で絶妙なバランスでオススメなんです。
手に入りやすく、価格も14,000円~とお手頃価格。

リプロダクトのようで、リプロダクトでないところもいいですね。

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TON社の『No.14』前から

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ななめから

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横から

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ノーマルの座面

画像はノーマルの座面ですが、かっこいいエンブレム入りの座面も選べるようです。
ベントウッドチェア No14 ミヒャエル・トーネットMichael Thonet / クラシック|アンティーク家具・照明の専門店|デニム アンティーク ファニチャー

この椅子をダイニングチェアにするとおうちの中もカフェっぽくなって素敵ですよ。
「おしゃれなカフェでよく使われている世界一普及したはずなのにいまいち知名度の低い名作椅子」がダイニングチェアに超オススメ!でした。