あるある症候群

人知れず埋没してしまっている『あるある』たちを見つけ出してやらずにはいられない欲求が抑えきれない病気。

省管理型の芝TM9の穂を刈る!

「芝管理社会。芝奴隷。」

 

こんにちわ、RRです。今回は、前回庭に張ったトヨタ自動車が開発した省管理型の芝TM9の伸びてきた穂を刈るお話です。

  

死ぬ思いをして芝張りをしたのが梅雨時の6月でした。早く根付かせるために毎日朝早く起きて水をまいてやりました。2週間ほどたったころだったでしょうか。ある朝異変に気付きました。

「なんか茶色っぽくなってきたな。」

よくよく見ると、葉っぱではなく稲穂のような形状をしているものが広範囲にわたってびっしり生えているではありませんか。

「とうとうこの日が来てしまったか。」

そう、このTM9、背丈が低く省管理型の芝としてとても優秀なのですが、唯一にして最大の欠点を持っているのです。それは、

 

「穂からこぼれた種から、背丈の高い芝が(ごくまれに)生えてくる。」

 

芝の中に生えている芝は、芝以外を枯らす選択性除草剤を使っても駆逐することができないので厄介です。

なにこの設定。いかれてますぜ。

この設定のおかげで、こぼれ種を発芽させないために、穂が成熟する前に刈ってやらなければなりません。芝刈りの回数は減らせても、穂刈りは怠ることができません。

この憎き穂が出現するのは4月から6月と言われていますが、我が家では9月にも全面的に出現したことがあり、常に庭の隅々まで監視の目を行き届かせていなければなりません。

少しでも穂刈りが遅れれば、こぼれ種から背丈の高い芝が生えてきてしまう恐れがあります。

芝刈りの回数を減らそうだなんて手抜きをしようとしているのに、その「手を抜く」というプラットフォームを維持するために、逆に手をかけなければならない。

 房州さんのあの名言を思い出しました。

 

「怠惰を求めて勤勉に行き着くか・・・・」

 

あるあるやね。

もしかして、トヨタ自動車はTM9を通してそんなメッセージを僕らに伝えたかったのかもしれませんね。

 

さあ、穂刈りを始めましょう。芝を刈るには芝刈り機が必要です。 

芝刈り機にもいろいろな種類があります。簡単に見ていきましょう。

1.ロータリー式

円盤状の水平に回転する刃で芝を叩き切ります。いわゆる草刈機と同じ構造です。

切り口は多少粗いようですが、後述のリール式に比べて比較的安価。

特に替え刃の価格はリール式に比べて8分の1から10分の1と手に入れやすく、交換方法も簡単でお手軽に交換できてしまいます。

 

2.リール式

 円筒状の縦に回転する刃で芝を挟み切ります。ロータリー式に比べて切り口が美しく仕上がるといわれています。

長く伸びてしまった芝を刈るのには向いていません。また、刃のメンテナンスを怠ってしまうとすぐに切れ味が悪くなってしまいます。

車輪の接地面と刃の距離で刈高を設定する仕組みなので、芝生がデコボコだと当然刈り残しや深刈り(軸刈り)といった事態が起こります。

このように芝刈り機を使用していると、ぱっと見ではわからないでこぼこもすぐに判明します。すぐにその場で目土して、でこぼこをなくしていき、きれいな芝生を目指していきたいですね。

家庭用としては手動式のもの、電動式のものがありますが、おすすめは電動式のものです。

 

3.バリカン式

壁際や舗装との境、複雑な地形の場所、植木の根元など、ロータリー式、リール式ともに刈ることができない場所を刈るのに必要です。

狭めの芝生ならばこれだけで刈ってしまうことも可能です。

狭い庭であろうと広い庭であろうと、絶対に持っておくべき必需品だと思います。

軽くて取り回しも良い反面、刃がむき出しのものが多く、安全にはじゅうぶんに注意して使用する必要があります。

コードレスで扱いやすい充電式のものが多くあります。

 

以前からマキタのコードレス掃除機を所有していまして、それと同じバッテリーが使いまわしできるということで、マキタのMUM168DZというバッテリー式バリカン式芝刈り機の本体のみを購入しました。際刈り用です。

バッテリー付きのMUM604DRFは、倍以上のお値段がしているようです。

広範囲用には、せっかくなので美しく仕上げたい、また、広いので刈幅の広いものが良いということで、マキタのMLM2851というリール式電動式刈幅280mmのものを選択しました。

なんとなくメーカーをそろえたほうがいいのかな、なんて思って同じマキタのものにしましたが、コード式なのでメーカーをそろえる必要性は全くありません。

あるあるやね。

後々になって後悔したのですが、リョービから出ているLM-2810は、アクセサリーとしてサッチング用の替え刃が用意されていまして、こちらにしておけば、ヒィヒィ悲鳴をあげながら熊手片手にサッチング作業する必要がなかったんです。まあ、年に何回もありませんけど。

 

さあ、準備は万端、いざ穂刈りです。

リール式芝刈り機ですが、昭和時代の掃除機くらいのけっこう大きめの音が出ます。早朝にやるとご近所さんからヒンシュクを買うかもしれません。

はじめ、刈高を25mmに合わせて動かしますが、あまり刈れている感触がないので、刈高を15mmに下げました。

芝刈り機の進むスピードは使用する人のさじ加減で速くも遅くもできますが、ちょっと速いかなと思うくらいのスピードで進んでもきれいに刈れています。

素人しごとで芝張りをしたので、でこぼこ感がすごくて、ちょっと盛り上がっているところにさしかかると、「シャリっ」という音がして、手には砂を巻き込んだ感触が伝わってきます。

やってしまいました。軸刈りです。これをやってしまうとその部分の芝はすぐに黄変してしまい、しばらく復活しません。

でこぼこが要因の一つですが、刈高も低すぎましたかね。

軸刈りしても辛抱強く待っていれば元に戻るのですが、自分の持ってる芝生イメージは緑のじゅうたんなので、なんとなく嫌な気分です。

あるあるやね。

逆にへこんでいるところは、うまく刈れておらず、あのいまわしき穂がまだ残ったままです。ああ。

 

ここで満を持してのバリカンの登場です。壁際と、植木の根元、刈り残してしまった穂を刈っていきます。

ただ、このバリカン、軽くて小回りが利いて便利なのですが、刈った後の刈りカスを集める仕組みになっていません。刈った穂がそのまま地面に落ちていきます。

「えーっ、これでは背丈の高い芝が生えてきてしまうーっ!」

こぼれた穂が気になって仕方ありません。

しかも地面すれすれの低いところにある穂は刈ることができません。

「あーっ、こんなんではせっかくのTM9の芝生が普通の高麗芝になってしまうーっ!」

あるあるやね。強迫神経症に近いね。

 

穂刈りの作業自体は40分ほどで終了しました。刈りカスは90リットルゴミ袋が満杯になるほど出ました。けっこう出るんですね。普通の高麗芝だったらと考えると恐ろしいです。

初穂刈り、初芝刈りは軸刈り多めになってしまいましたが、その後、目土で修正するなど、でこぼこも減っていきました。

そして不思議なことに、スギナの襲来やモグラとの格闘などの苦難を経て、芝刈りも回数を重ねていくにつれて、あれほど嫌だった、一粒でも種がこぼれるのが許せなかったTM9の穂に対する気持ちも、徐々に変化していき、

 

「こぼれ種?草丈の高い芝?いいんじゃないの?いろいろなものがあっていい。それも生命の営みですよ。生き物バンザイ!生命賛歌!」

 

と、許してやれるようになっていきました。

あるあるやね。

 

「多様性を許容しよう。」

 

 もしかして、トヨタ自動車はTM9を通してそんなメッセージを僕らに伝えたかったのかもしれませんね。